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Bitcoinと中国リスク

仮想通貨・暗号通貨

現在、Bitcoinの取引高は、全世界で600種類以上あると言われている仮想通貨の中でも断トツの1位ですが、なんとその約9割が中国での取引と言われています。今年に入り米国大統領選後に対ドルで中国人民元が大幅下落したのを皮切りに、不安定な自国通貨元の逃避先として、中国人がBitcoinを買い進め、価格急騰を招いたのは記憶に新しいです。

買ったBitcoinを米ドル等に換え、外貨規制を潜り抜ける狙いがあったようですが、中国政府も手をこまねて見ていたわけではなく、すぐに規制強化に乗り出したため今度は大幅な価格の下落が起きたといわれています。その後も度重なる規制強化、政策変更によりBitcoin価格が乱高下するなど、中国に翻弄されているというのがBitcoin取引の現状です。

Bitcoin 中国関連の主要なリスク 政府規制

繰り返しになりますが、現在中国政府は過度の人民元の下落を抑えるために、Bitcoinの規制に乗り出しています。中国銀行によるBitcoinのレバレッジ取引、信用取引の禁止措置に始まり、2017年2月には中国政府が引き出し禁止措置を実施しました。これにより、Bitcionの価格は急落し、かなりの痛手を負った投資家も出たと言われています。また、中国の大手仮想通貨取引所への政府による立ち入り検査も行われ、マネーロンダリングや不正な為替取引の有無のチェックが行われました。

その後も、金融当局によるICOの禁止発表や、大手取引所によるBitcoinの取引停止発表といった価格形成に影響を与えそうな動きが続いており、このような厳しい規制措置は今後も続くと考えられ、Bitcoinの取引価格に大きな影響を与えることが予想され、大きなリスクと考えられます。

Bitcoin 中国関連の主要なリスク マイナーの中国偏在

一方、ビットコインのネットワークを支えているマイナーも多くを中国企業(または個人)が占めており、マイニングの実績の9割が中国といわれています。マイニングには大容量のコンピューターとそれを動かす人材、設置場所、コンピューターを動かす電気代が必要で、それらを低コストで集められるのが中国というわけです。また、マイニングには規模のメリットが働きますので、中国国内でも現在は、大きなマイニング工場を抱える大手数社がマイニング市場の大きなシェアを押さえています。

これらの大手マイナーが、収益性の低下や政府規制等何らかの理由で急にマイニングから撤退したら、Bitcoinのネットワーク維持に大きな影響が出ることは否定できません。そういう意味でも、Bitcoinのネットワーク自体の継続性に与える中国のリスクは大きなものと言えるでしょう。

マイナー
ブロックチェーンにおいて、ブロックとブロックを繋げる為に必要なノンス(適当な文字列)を見つける作業をマイニングという。その労力を要する作業が、採掘(マイニング)に似ていることからこう称されるようになった。マイニングを行う主体をマイナーと称する。
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Bitcoinと中国リスク まとめ

旧来の中央集権的な貨幣システムに対するアンチテーゼとして開発されたbitcoinですが、運用を進めていく中で、コイン取引高の一極集中やネットワークを維持するためのマイニングの独占などといった、新たなリスクにより、従来のリスク分散型の公平な貨幣システムという礎がやもすると壊れてしまう恐れに直面しています。Bitcoinの将来を占うためには、今後の中国政府の規制、中国マイナーの動きにはくれぐれも注意してそのリスク(中国リスク)を見極めていく必要があります。