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仮想通貨のマイニング競争に日本企業は生き残れるか?

仮想通貨・暗号通貨

仮想通貨の発掘(マイニング)は、長らく中国企業によるの寡占状況が続いてきましたが、ここにきて日本のIT企業がその牙城に風穴を開けるべくマイニング市場への参入を表明、国内外で活動を開始しています。これら新規参入の日本企業の目論みと、マイニング市場での勝算はいかに?簡単に解説していきます。

マイニング市場へ新規参入する日本企業

ここにきて、GMOインターネットグループ、DMM.com、SBIホールディングスなどの日本の元気なIT、金融グループが仮想通貨の発掘(マイニング)事業への参入を相次ぎ発表しました。

その背景には、ビットコインをはじめとする仮想通貨の昨今の急激な値上がりと、引き続きの価値の上昇への期待、マイニング市場の更なる拡大期待があります。

仮想通貨マイニング市場の現状

仮想通貨のマイニングとは、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の売買や送金ごとの取引が真正であるかどうかを、ネットワークに参加している任意の第三者が、コンピューターを使ってハッシュ関数という演算(暗号解読)を織り交ぜながら証明を行い、その対価としてビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を獲得する一連の作業を言います。

そして、マイニングを行う個人や企業をマイナーと呼びます。

取引の真正の証明作業は、コンピューターでの計算が早い者勝ちなので、短時間で大量の計算を終えたものがマイニングの報酬を獲得できるというシビアな世界になります。

つまり、高性能、大容量コンピューターを大量に用意出来るかという設備投資能力及びその稼働にかかる電気料金、人件費などのランニングコストを安く抑えながらも、負担し続けられるかどうか?がマイニングの勝負になってきます。

そして、マイニングの優劣を測る物差しがハッシュレートと呼ばれるも指標で、ハッシュ関数と呼ばれる演算を1秒間でいくつ処理できるかを表しています。ハッシュレートを上げれば上げるほど、マイニングの報酬通貨獲得の可能性が上がるという事になります。

このような仮想通貨マイニングの条件下で、現在は一早く大量の設備投資を終え、かつ、地理的、人口的優位性を生かしながら、安い土地に大量のコンピューター設備を持ち、内陸の寒冷な気候で、安い労働力を確保しながらマイニングを行う事の出来る、中国の一部大手マイナーが仮想通貨マイニング市場の50%以上を独占していると言われています。

仮想通貨マイニング市場の問題点

このようなマイニング事業の独占により、非中央集権的で公平な通貨システムということが売りであるはずのビットコインの運用に対して、中国の大手マイナーによる発言力が高まりつつあります。

この弊害は既に出てきており、ビットコインの分裂時にも中国マイナーの意見が強く影響を与えたと言われています。また、マイニングによるエネルギーの大量消費や熱の放出が地球環境に与える影響も危惧されてきています。

仮想通貨マイニング市場での日本企業の勝算

このような仮想通貨マイニング市場において、日本企業は後発ながら、独自の高い技術力と工夫でマイニングに挑もうとしています。

GMOは中国企業よりも高性能な半導体チップを海外企業と共同開発し、演算効率を高め、消費電力を押さえつつ、設備を北欧などに移すことにより、地熱や水力発電などの自然エネルギーを利用しながら、低コスト且つ地球に優しいマイニングを行おうとしています。

また、初期の設備投資にかかる資金負担を下げるために、「クラウドマイニング」という、「一般投資家が小口で、マイニングに必要なハードにかかるコストを負担し、報酬をマイニングで得たビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨で受け取る仕組み」も新しく取り入れようとしています。

他の2社も着々と仮想通貨マイニング市場進出の足場を固めており、SBIホールディングスは2017年8月に、「SBIクリプト」を設立し、ビットコインから分裂し誕生したビットコインキャッシュ(BCH)のマイニングを既に開始。

DMM.comも独自のCPU開発などは行わないものの、新しく「DMM POOL」を2017年度中に公開する予定です。DMMはこのマイニングPOOLで、「2018年度中に世界のマイニング企業トップ10に入る」という目標を掲げています。

このような日本企業の積極的な動きの一方、仮想通貨マイニング市場には危惧材料も見受けられます。

画像処理半導体(GPU)などのマイニングに必要な機材の価格が高騰してきており、 これから設備投資が必要な新規参入組には大きなコスト増の要因となっています。

また、2020年にはビットコインが4年に1度の報酬の半減期を迎えることになります。この点も、マイニング市場への新規参入組の事業採算に大きな影響を与えることが危惧されます。

仮想通貨のマイニング競争 まとめ

日本企業の新規参入が相次ぐ仮想通貨のマイニング市場について簡単に解説してきましたがいかがだったでしょうか。

仮想通貨のマイニング事業はビットコインに限らず、今後の成長分野であることは間違いありません。

また、新規参入組の日本企業は、戦略と勝算を持って、マイニング市場に挑もうとしていることも確かです。

一方、仮想通貨マイニング業界のトップランナーである中国企業は、政府のビットコインに対する規制強化に戦々恐々の状況です。今のところ、マイニング事業に対する大きな影響は出ていないようですが、今後のことは分かりません。

初期投資の高騰やエネルギー問題等、解決すべき課題は多いですが、仮想通貨自体がそれ以上の成長、拡大を実現すれば、後発組の日本企業も大きな成果を上げる可能性は十分にあるのではないかと思います。

元気な日本企業の仮想通貨マイニング市場での活躍に期待したいと思います。