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中国政府による国内仮想通貨取引業務の禁止通達の影響とは?

仮想通貨・暗号通貨

2017年9月4日、中国政府は突如国内における仮想通貨取引業務の禁止通達を発表しました。この突然の通達がビットコインをはじめとする仮想通貨の取引市場、環境に与える影響はどのようなものでしょうか?取引量においても、またマイニング実績においても大きなポジションを占める中国の動向が、我々の日々の仮想通貨取引に与える影響を考えてみたいと思います。

中国政府による想通貨取引業務の禁止通達

今回の中国政府による通達は、形式上はICO(イニシャルコインオファーリング)の規制でしたが、実際には人民元への交換禁止など、仮想通貨取引業務の規制を行う内容でした。

通達を受け、中国国内の仮想通貨取引所は表面上自主廃業、実際には廃業せざるを得ない状況に追い込まれ、大手取引所を含む国内取引所が軒並み廃業する事態となりました。

これまで、仮想通貨取引やシステム開発、マイニングの分野で先頭を走っていた中国の急ブレーキは、仮想通貨の取引量や価格、マイニングなどあらゆる分野において大きな影響を及ぼすと考えれます。

ただ、マイニングに関しては今回の通達による影響は軽微と考えられているようです。中国政府も、高い技術力と資金力で他を圧倒し、結果として大量の外貨を稼ぎ出す重要な手段でとなった仮想通貨のマイニングは、現状政府の利益に資すると考えたのでしょう。

一方、ICOを含む仮想通貨取引は、投機やマネーロンダリンング、資本流出に繋がりかねず、ひいては政府による自国通貨管理の政策をないがしろにしてしまう悪しきものという現状の結論に至ったのだと考えられます。

中国政府による過去の仮想通貨関連通達

遡ると、中国が仮想通貨の第1次ブームに沸いていた、2013年にも仮想通貨取引の規制に関する重要な通達が政府からなされました。

この時には、バブルを危惧した政府が仮想通貨取引の一時停止と、取引所の登録制実施による選別、仮想通貨の定義の見直しが行われました。

一時的な取引の停止により、価格が落ち着きを取り戻し、同時に仮想通貨の定義見直しでは、仮想通貨は通貨とは認めない代わりに「特定のバーチャル商品」と認められ、登録を許可された取引所において正式にその取引を認められました。

このことが、その後の中国における仮想通貨関連ビジネスに大きなプラスの影響を及ぼした事は確かで、結果的にはプラスの規制であったと言えます。

中国政府による想通貨取引業務の禁止通達が与える影響

それに比べ今回の通達による規制は、こと仮想通貨取引においては、完全に不の規制であり、中国国内における自由な仮想通貨関連ビジネスの発展を妨げるものであることは間違いありません。

他に先行し蓄積された、取引関連のシステムや技術、ノウハウ、ネットワークも利用価値を失い、埋もれてしまうのはもったいない限りです。

ただ、一方さすが中国という動きもみられ、現在中国における仮想通貨のOTC(相対)取引が急増しています。

OTC取引は仮想通貨の主要な取引手法の一つで、取引所を通さず直接当事者間で行う取引であるので、政府による規制や取り締まりが及びにくい性質が有ります。

実際にOTCの国際的なプラットフォーム上での人民元の取引量及びその取引全体に占める割合が、9月の通達以降急激に増えたという報告もあるようです。

このように中国国内の仮想通貨取引所自体は壊滅状態ですが、取引をする人自体は他の方法を見つけ、取引を継続しているというのが現状の実態のようです。但し、この状況は、中国政府も継続的に監視しており、今後何らかの動きが有る可能性は否定できません。

このような中国における規制強化と裏腹に、ビットコインを筆頭にした仮想通貨の取引自体は、多少の上下はあるものの、9月以降も伸び続けています。

この伸びには、改正資金決済法により仮想通貨が通貨として認められた日本における、取引量の急増が大きく寄与しているとも言われています。

ただし、日本が大きく寄与しているのは取引量においてのみであり、相変わらず仮想通貨のマイニングや技術開発においては中国が大きなシェアや役割を果たしていることは確かです。

元来、非中央集権的な通貨制度を標榜し、一部の権力者や国家による管理や規制を嫌うはずのビットコインや他の仮想通貨が、中国という舞台で拡大を見せていること自体、想定を超えた実験的な意味合いがあることは確かです。

管理、規制された国において資産の自由を求める個人が、仮想通貨に利用価値を見出し、国はその成り行きを慎重に監視しながら、規制を強めるという流れは、今後も続くと思われます。

中国政府による国内仮想通貨取引業務の禁止通達の影響 まとめ

中国政府による仮想通貨取引業務の禁止通達が仮想通貨の取引市場や環境に与える影響について、簡単に解説してきましたがいかがだったでしょうか。

日々の我々の仮想通貨取引に与える中国の影響は絶大であり、また、マイニングや技術開発など仮想通貨の将来の発展を左右する重要な要素においても、もはやその影響力、発言力は無視できないものとなっています。

今回の中国政府による仮想通貨取引業務の禁止通達による規制の影響は、こと価格形成という意味では直接的に大きなマイナスの影響は無かったように見えますが、引き続きの中国政府の動きには注視が必要です。