2017年4月の資金決済法改正以降よく聞かれるようになったホワイトリストとはいったいどのようなものなのでしょうか?その内容と重要性について簡単に解説します。
仮想通貨のホワイトリストとは?
資金決済法の改正以降、金融庁に登録を認められた仮想通貨交換業者が取り扱う仮想通貨の種類を記したリストを、俗にホワイトリストといいます。
このホワイトリストに記載されなければ、仮想通貨取引所での取引はできなくなりました。具体的には、金融庁がリリースした仮想通貨交換業者登録一覧に記載されている、「取扱う仮想通貨」という項目が、いわゆるホワイトリストです。
仮想通貨ホワイトリストの主旨は?
仮想通貨交換業者の登録制に伴い、市場で取引をして良い仮想通貨も予め決めておくと言うことがその主旨です。
この点金融庁は、「仮想通貨交換業者による取り扱い仮想通貨の申請に関する事務ガイドライン」において、「公益性、利用者保護の観点から、当局は仮想通貨交換業に関わる取引の適正性、および取り扱う仮想通貨の適切性等について申請者に対して詳細な説明を求め、登録の申請の審査をする。」という主旨の説明をしています。
このように、ホワイトリストに載った仮想通貨のみが、一般に取引される仮想通貨となり、ホワイトリストに載らないものは、取引所等で流通しないことになりますので、どうしても流動性や公共性がなくなり、一般の取引において使われない、実務的な価値の無い通貨になってしまう可能性が高くなります。
ホワイトリストに載るかどうかは仮想通貨自体の命運を握る分かれ目になると言っても過言ではないと思われます。
では実際どのような通貨が、仮想通貨交換業者が申請したホワイトリストに記載されているのでしょうか?登録を認められた取引所別に見ていきます。
(2017年11月10日現在)
株式会社マネーパートナーズ
(BTC)ビットコイン
QUOINE株式会社
運営サイト:COINEX
(BTC)ビットコイン、(ETH)イーサリアム、(BCH)ビットコインキャッシュ
株式会社bitFlyer
運営サイト:bitFlyer
(BTC)ビットコイン、(ETH)イーサリアム、(ETC)イーサリアムクラシック、(LTC)ライトコイン、(BCH)ビットコインキャッシュ、(MONA)モナコイン
ビットバンク株式会社
運営サイト:bitbank.cc
(BTC)ビットコイン、(ETH)イーサリアム、(XRP)リップル、(LTC)ライトコイン、(MONA)モナコイン、(BCC)ビットコインキャッシュ
SBIバーチャルカレンシーズ株式会社
(BTC)ビットコイン
GMOコイン株式会社
運営サイト:GMOコイン
(BTC)ビットコイン、(ETH)イーサリアム、(BCH)ビットコインキャッシュ、(LTC)ライトコイン
ビットトレード株式会社
運営サイト:Bit Trade
(BTC)ビットコイン、(ETH)イーサリアム、(XRP)リップル、(LTC)ライトコイン、(MONA)モナコイン、(BCC)ビットコインキャッシュ
BTCボックス株式会社
運営サイト:BTCBOX
(BTC)ビットコイン、(BCC)ビットコインキャッシュ、(ETH)イーサリアム、(LTC)ライトコイン
株式会社ビットポイントジャパン
運営サイト:BIT POINT
(BTC)ビットコイン、(ETH)イーサリアム、(XRP)リップル、(LTC)ライトコイン、(BCC)ビットコインキャッシュ
株式会社フィスコ仮想通貨取引所
運営サイト:フィスコ仮想通貨取引所
(BTC)ビットコイン、(MONE)モナコイン、(FSCC)フィスココイン、(NCXC)ネクスコイン、(CICC)カイカコイン、(BCH)ビットコインキャッシュ
テックビューロ株式会社
運営サイト:Zaif
(BTC)ビットコイン、(MONA)モナコイン、(BCH)ビットコインキャッシュ、(XCP)カウンターパーティー、(ZAIF)ザイフ、(BCY)ビットクリスタル、(SJCX)ストレージコインエックス、(PEPECASH)ペペキャッシュ、(FSCC)フィスココイン、(tCICC)カイカコイン、(NCXC)ネクスコイン、(Zen)ゼン、(XEM)ゼム(ネム)、(ETH)イーサリアム

取扱いの多い通貨順でみると、
- (BTC)ビットコイン 11取引所
- (BCH)ビットコインキャッシュ9取引所
- (ETH)イーサリアム8取引所
- (LTC)ライトコイン6取引所
- (MONA)モナコイン5取引所
- (XRP)リップル3取引所
- (FSCC)フィスココイン2取引所
- (NCXC)ネクスコイン2取引所
- (CICC)カイカコイン2取引所
以下、テックビューロー株式会社のみで取り扱われている仮想通貨が、
(XCP)カウンターパーティー、(ZAIF)ザイフ、(BCY)ビットクリスタル、(SJCX)ストレージコインエックス、(PEPECASH)ペペキャッシュ、(Zen)ゼン、(XEM)ゼム(ネム)
になります。
このように、世界に700種類以上存在すると言われている仮想通貨のほんの一握りしかまだ、日本の仮想通貨取引所では取り扱いがされていないというのが現状です。
仮想通貨のトレードをする場合は、上記の様なホワイトリストに載った限られた通貨を日本の取引所を通じて取引するか、または少し面倒ですが、海外の取引所に口座を開設するなりOTC取引(個人間直接取引)を行うなどして、上記以外の仮想通貨の取引をすることになります。
ただ、やはりこれから仮想通貨の取引をはじめようとされる初心者の方は、詐欺のリスクや言葉の問題、地政学的リスクが少なく、取引所の登録制やホワイトリストでサービスの質を一定程度担保されている日本の取引所に口座を開設し、始めてみることをお勧めします。

仮想通貨のホワイトリストとは? まとめ
金融庁に登録を認められた仮想通貨交換業者が取り扱う仮想通貨の種類を記したリスト、俗にホワイトリストについて簡単に解説してきましたがいかがだったでしょうか。
今後、登録取引所の増加や、取扱い仮想通貨の追加申請により、ホワイトリストに記載される通貨の種類は増えてくると思われます。
ただ、上述したような金融庁の事務ガイドラインによる制限も有りますので、どんな通貨でも交換取引業者による取扱い申請が出来るという事ではありません。
また、今後はICO(Initial Coin Offering)による独自の通貨発行のニーズも日本において増加すると予想されますが、ICOの後にもし取引所で取り扱われないということになった通貨はどうなっていくのでしょうか?

ホワイトリストをめぐる問題は、日本における仮想通貨の市場拡大の上で大きな課題になると思います。