今回は、新規注文と決済注文をセットで出せる、FXの便利な注文方法のひとつ、IFD注文のやり方について解説します。
IFD(イフダン)注文とは
IFDとは、If Done(イフダン)の略で、新規注文と決済注文を一度の注文でまとめて出す注文方法です。
IFD注文では、新規注文時に利食い、または損切りの決済注文を同時に出すことができます。
注文画面はFX会社で異なりますが、上画面の例では、左側に新規注文の内容を、右側に決済注文の内容を入れて注文します。
IFD注文の流れ
成行注文や指値注文では、新規注文か決済注文のうち、いずれかひとつしか出せません。
一方、IFD注文では、新規注文と同時に決済注文をセットにして注文できます。
指値注文の流れとIFD注文の流れを比べてみます。
[指値注文の流れ]
①新規注文を出す
↓
新規注文が約定する
↓
②決済注文を出す
↓
決済注文が約定する
以上のように①と②、2回、自分で注文を出しています。
[IFD注文の流れ]
IFD注文(①新規注文と②決済注文のセット)を出す
↓
新規注文が約定する
↓
決済注文が自動的に有効になる
↓
決済注文が約定する
以上のように、自分で注文を出すのは最初の1回だけです。
IFD注文では、「もし、①の新規注文が約定したら、②の決済注文を有効にしてください」と、新規注文を出すときに、一緒に決済注文も出してしまうのです。
IFD注文のパターン
IFD注文は、新規注文と決済注文の組み合わせ次第で、いろいろなパターンの使い方が可能です。
IFD注文のやり方をパターンごとに解説していきます。
ここからの説明では、①は新規注文、②は決済注文を指します。
IFD注文|①指値買い+②指値売りで利食いを狙う
今後の値動きを、上図の点線のように予想したとします。
106円で新規買い、108円で決済売りで、2円の利食いを狙います。
[IFD注文]
① 新規注文 買い 106円 指値
② 決済注文 売り 108円 指値
①の新規注文が約定したら、②の決済注文が発動します。
①が約定しなければ、②は有効になりません。
たとえば、上昇トレンド中やボックス相場で、サポートラインまで落ちてきたところで買い、反転上昇したところで売る、というような場面で利用できます。
IFD注文|①指値売り+②指値買いで利食いを狙う
今後の値動きを、上図の点線のように予想したとします。
110円で新規売り、108円で決済買いで、2円の利食いを狙います。
[IFD注文]
① 新規注文 売り 110円 指値
② 決済注文 買い 108円 指値
①の新規注文が約定したら、②の決済注文が発動します。
①が約定しなければ、②は有効になりません。
たとえば、下落トレンド中やボックス相場で、レジスタンスラインまで上がってきたところで売り、反転下落したところを買う、というような場面で利用できます。
IFD注文|①指値買い+②逆指値売りで損失を限定する
今後の値動きを、黒い点線のように、108円程度まで下落して反転上昇すると予想しました。
108円で買って、予想どおりに上昇すれば、利益が見込めそうです。
ただし、オレンジ色の点線のように、買った後に106円を下回ると、下落が加速しそうだと判断し、106円を損切りラインと決めました。
108円で新規買い、106円で決済売りを入れることで、不利な方向に動いた場合の損失を2円に限定しておきます。
[IFD注文]
① 新規注文 買い 108円 指値
② 決済注文 売り 106円 逆指値
①の新規注文が約定したら、②の決済注文が発動します。
①が約定しなければ、②は有効になりません。
IFD注文|①指値売り+②逆指値買いで損失を限定する
今後の値動きを、黒い点線のように、108円程度まで上昇して反転下落すると予想しました。
108円で売って、予想通り下落すれば、利益が見込めそうです。
ただし、オレンジ色の点線のように、売った後に110円を上回ると、上昇が加速しそうだと判断し、110円を損切りラインと決めました。
108円で新規売り、110円で決済買いを入れることで、不利な方向に動いた場合の損失を2円に限定しておきます。
[IFD注文]
① 新規注文 売り 108円 指値
② 決済注文 買い 110円 逆指値
①の新規注文が約定したら、②の決済注文が発動します。
①が約定しなければ、②は有効になりません。
IFD注文|①逆指値買い+②指値売りで利食いを狙う
今後の値動きを、上図の点線のように予想しました。
これまで108円手前までの上昇を繰り返しており、108円を上抜ければ、さらに上昇すると予想しました。
108円で新規買い、110円で決済買いを入れることで、2円の利食いを狙います。
[IFD注文]
① 新規注文 買い 108円 逆指値
② 決済注文 売り 110円 指値
①の新規注文が約定したら、②の決済注文が発動します。
①が約定しなければ、②は有効になりません。
ボックス相場の上抜けや、下落トレンドから上昇トレンドへの転換を狙ったトレードなどに利用できます。
まとめ
いかがでしたか。
テクニカル分析と組み合わせてIFD注文を使うと、画面を見ていられない時間帯でもトレードができます。
また、下記の記事で解説しているIFD注文とOCO注文が合体したIFDOCO注文は、損切りと利食いの決済注文まで同時に入れられるので、取引画面をずっと見ていられない方には便利な注文方法です。