今回は、指値レートと逆指値レートをセットにして注文できる、OCO注文のやり方について解説します。
OCO注文を利用すると、現在よりも上がった場合と下がった場合、それぞれのレートを一度に指定できるので、FX相場をずっと見ていられないときにも便利です。
OCO(オーシーオー)注文とは
OCO注文とは、指値注文と逆指値注文をまとめて出しておき、一方の注文が約定したら、他方の注文を取り消す、という注文方法です。
One Cancels the Other Orderを略してOCO(オーシーオー)と呼びます。
上がったときの注文レートと、下がったときの注文レートを一度のOCO注文でセットで入れておくと、一方が約定したら、他方は自動的にキャンセルされます。
OCO注文時には、売 or 買のどちらかを選択し、指値レートと逆指値レートを指定します。
OCOは、新規注文でも、決済注文でも利用できます。
OCO注文の例
OCO注文は、現在よりも上がった場合の注文レートと、下がった場合の注文レートの両方を一度に出しておき、いずれか先に注文レートに到達した注文のみが約定する注文方法です。
新規注文でも利用できますが、ここでは、すでに持っているポジションを決済するときのOCO注文のパターンを解説します。
OCO注文|買いポジションの決済
買いポジションの利食い+損切りのOCO注文
107円の買いポジションを保有しているとします。
現在レートは107円で、含み損益は0円です。
上昇トレンドが継続すれば、利食いが狙えそうですが、相場が急変して下落するリスクもあります。
106円を下回った場合は下落トレンド入りと判断して損切り、逆に106円まで到達せずに上昇すれば上昇トレンド入りと判断して110円で利食いを狙うため、OCO注文を利用します。
[OCO注文]
売り 指値レート 110円(先に到達すれば3円の利食い)
売り 逆指値レート 106円(先に到達すれば1円の損切り)
このあと上昇して110円以上になれば、現在レートで売るよりも利益が出ますし、逆に106円以下に下がってしまった場合でも1円の損切りで損失拡大を防ぎます。
OCO注文|買いポジションの決済
買いポジションの利食い+利益拡大狙いのOCO注文
105円の買いポジションを保有しているとします。
現在レートは107円で、2円の含み益となっています。
上昇トレンドが継続すれば、利益拡大が狙えそうですが、相場が急変して下落するリスクもあります。
ある程度の利益を確保しつつ、利益拡大を狙うために、OCO注文を利用します。
[OCO注文]
売り 指値レート 110円(先に到達すれば5円の利食い)
売り 逆指値レート 106円(先に到達すれば1円の利食い)
このあと上昇して、110円以上になれば、現在レートで売るよりも利益を拡大できますし、逆に106円以下に下がってしまった場合でも1円の利益が確保できます。
OCO注文|売りポジションの決済
売りポジションの利食い+損切りのOCO注文
109円の売りポジションを保有しているとします。
現在レートは109円で、含み損益は0円です。
下落トレンドが継続すれば、利食いが狙えそうですが、相場が急変して上昇するリスクもあります。
110円を上回った場合は上昇トレンド入りと判断して損切り、逆に110円まで到達せずに下落すれば下落トレンド入りと判断して106円で利食いを狙うため、OCO注文を利用します。
[OCO注文]
買い 指値レート 106円(先に到達すれば3円の利食い)
買い 逆指値レート 110円(先に到達すれば1円の損切り)
このあと下落して106円以下になれば、現在レートで買うよりも利益が出ますし、逆に110円以上に上がってしまった場合でも1円の損切りで損失拡大を防ぎます。
OCO注文|売りポジションの決済
売りポジションの利食い+利益拡大狙いのOCO注文
110円の売りポジションを保有しているとします。
現在レートは108円で、2円の含み益となっています。
下落トレンドが継続すれば、利益拡大が狙えそうですが、相場が急変して上昇するリスクもあります。
ある程度の利益を確保しつつ、利益拡大を狙うために、OCO注文を利用します。
[OCO注文]
買い 指値レート 106円(先に到達すれば4円の利食い)
買い 逆指値レート 109円(先に到達すれば1円の利食い)
このあと下落して、106円以下になれば、現在レートで買うよりも利益を拡大できますし、逆に109円以上に上がってしまった場合でも1円の利益が確保できます。
まとめ
今回は、OCO注文のやり方を解説しました。
保有ポジションの決済時にOCO注文を使えば、利益を狙いつつ、相場が反転したときのリスクを限定しておけます。
OCO注文をうまく利用することで、ポジション保有中に為替相場から目を離せない、相場の急変で大きな含み損を抱えてしまう、といったことを避けることができます。