アラブ首長国連邦(UAE)を構成する首長国の1つであるドバイ政府がこの度、国が認め、管理する仮想通貨「emCash」の発行を行うことを発表しました。

これが実現すれば、仮想通貨先進国と言われているエストニアやスイスを飛び越して、世界初の国が認める仮想通貨の発行という事になります。

今までは、エストニアやスイスが世界初になるのではという憶測もありましたが、まだ未実装の段階の様ですから、ドバイ政府の発表したこの「emCash」が実現すればまさしく世界初という事になります。

今回はこの「emCash」について分かり易く簡単に解説していきたいと思います。

ドバイ政府が目指す世界初の公認デジタル通貨emCashとは?

ドバイ政府は従来より、「ブロックチェーン戦略」を発表し、世界的な「fintechのハブ」になるという目標を掲げてきました。

その戦略の中で、2020年までにすべての政府の文書をブロックチェーンベースに移行する想定であることを発表しています。

このような仮想通貨に対する取り組みを行ってきているドバイ政府ですので、今回のemCashのプロジェクトの発表も驚きというより納得感を持って世界に受け入れられのではないでしょうか。

今回発表になったemCashは、国営、非国営(民間)の両方の用途で使えるデジタル通貨(仮想通貨)という想定であり、公共料金の支払いからショッピングでの支払いまで幅広く使える使い勝手の良い決済手段となる可能性を秘めているようです。

ただ、emCashに、どのブロックチェーン技術が利用されるのか?どんな仕様の仮想通貨になるのか?は未発表なので詳細は不明の様ですが、かなり最新の技術がつかわれるというもっぱらの噂です。

emCashに使われる技術が既存の技術であったり、その応用であったりすれば、今度はそちらの技術にも注目が集まり、評価が高まる可能性もあるのではないでしょうか。

大手金融機関に採用が決まっただけで、その関連仮想通貨の価格が暴騰するぐらいですので、独立した国であるドバイ政府に採用されたとなればその波及効果は計り知れないと思います。

ドバイ経済省のアリ・イブラヒム長官のコメントによると、「emCashは契約に縛られない自由な取引を可能にすることで、ユーザーをより満足させるスマートな経済への発展を促し、ドバイをより魅力的なビジネス国家にします。

デジタル通貨は高速処理や取引時間の短縮、取引の簡素化による低コストの実現など、多くのアドバンテージが有ります。

このような新たな金融システムは、私達の日常生活やビジネスのあり方などを大きく変える可能性が有るゲームチェンジャーです。」とのことです。

確かにデジタル通貨(仮想通貨)は、従来の通貨や銀行などの第三者機関を介した送金、決済システムに比べると、コストや手間がかからず、ユーザーからしても便利になることは確かです。

この点は日本で既に発表されている仮想通貨のJコイン構想とも同じコンセプトです。仮想通貨のJコインは既に発表されている内容によると、通常の仮想通貨の様な価格変動がない(1コイン=1円で固定)仕組みのようですが、emCashははたしてどうなるのでしょうか?この点はまだ発表されていません。

ドバイ政府のemCash、詳細は未定?

通貨としての機能を重視するのであれば、ボラティリティーの高さはむしろマイナスに作用しますので、Jコイン同様に価格の変動がない仮想通貨になる可能性が高いのではないでしょうか?

ただ、国が認める仮想通貨が仮想通貨取引所に上場されたらどんな価格形成が行われるのか個人的には見てみたい気もします。

ただ、長官のコメントにある「契約に縛られない自由な取引を可能にする」という部分ですが、ここは少し違和感が有りました。

従来のビットコインを代表とする仮想通貨のコンセプトは、非中央集権的で発行元や管理主体の存在しない民主的な通貨システムということですが、emCashにはドバイ政府という管理者が存在します。

その意味で、本来の仮想通貨が目指す自由な通貨システムとは一線を画すものという理解が正しいのではないでしょうか?

元来、仮想通貨は決済取引を政府や金融機関などの仲介者、管理者を介すことなく、直接送信者と受信者でやり取りし、その取引情報も高度な暗号技術により第三者から見えなくしてしまうという点が一番の特徴でありました。

その点では、統治者や管理者からすればむしろ都合の悪いシステムだと言えなくも有りません。

少しうがった見方をするならば、自由勝手な仮想通貨の使用により、国民の決済やお金の流れが全く見えなくなってしまう前に、国が決めた、国によってその情報を管理することが出来る、公認のデジタル通貨(仮想通貨)を使わせることにより、前述のリスクをなくしたいという統治、管理者(政府)の都合が大きく働いている仕組みがこのemCashという事も出来るのではないでしょうか?

仕様の詳細等が発表されていないので何とも言えない部分が多いですが、個人的には今回のemCashや日本のJコインなどの管理者のいる仮想通貨に関しては、本来の仮想通貨とは一線を画して考える必要が有るのではないかと思います。

価格の変動の有無、投資の対象になるか否かという部分もそうですが、やはりもっと根本的な非中層集権的か否か?という部分が大きいと思います。

ドバイ政府が、国が認めるデジタル通貨「emCash」の発行を発表! まとめ

さて、ここまで世界初の国が認める仮想通貨として注目を集めているドバイのemCashについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

仮想通貨の技術的基盤となっているブロックチェーンはfintechの代表的な技術の一つとして政府、民間をとわず様々なところに使われ、信用とその認知を高めています。ただビットコインを代表とする仮想通貨はその投機的な性質も有り、まだ、その存在自体の確固とした礎を築くには至っておらす、その価値はバブルと評されることも多いのが実情です。

今後の、仮想通貨の将来を占ううえで、今回のemCashや日本のJコインがはたしてどのような影響を与えるかは引き続き注目して見ていきたいと思います。

最後になりましたが、これからビットコイン等仮想通貨への投資を考えていらっしゃる方は、下記記事も是非参考にしてみてください。