FX取引を開始するには、まず資金をFX口座に預けます。ここでは、この資金のことを預入資金と呼ぶことにします。
FXでは、注文するときに、その取引金額に応じて、預入資金の一部が拘束されます。
この拘束される資金を、必要証拠金と呼びます。
このあたりがFX初心者が混乱する要因のひとつなのですが、まずはおおまかな仕組み、概要を把握することから始めましょう。
FX取引に必要な「必要証拠金」はどうやって計算されるのか
必要証拠金の算出には、次の計算式を使います。
この計算で使うレバレッジは、自分が選択しているレバレッジコースによって異なります。
レバレッジコースの設定はFX会社によって異なっており、下表のように選択機能があるFX会社もあれば、固定されているFX会社もあります。
[レバレッジコースの例]
FX会社 | レバレッジコースの選択機能 | レバレッジコース |
---|---|---|
GMOクリック証券FXネオ | なし | 25倍固定 |
DMM.com証券 FX | なし | 25倍固定 |
楽天証券 FX | あり | 1倍、2倍、5倍、10倍、25倍 |
SBI証券 SBI FXα | あり | 1倍、3倍、5倍、10倍、25倍 |
ただし、ここでいうレバレッジとは「最大レバレッジ」のことです。
最大レバレッジとは、預入資金の最大何倍の取引まで可能か、という意味になります。
たとえば、10万円を預入資金としてFX口座に入金した場合に、レバレッジ25倍コースを選択しているからといって、250万円分の取引をしなければいけない、というわけではありません。
最大で250万円分の取引ができますよ、ということです。
「必要証拠金」を計算してみる
必要証拠金の計算式をおさらいします。
それでは、上の計算式にあてはめて、次の条件のときに必要な必要証拠金はいくらになるか、計算してみましょう。
[条件]
ドル円を、1ドル=100円のときに、10,000通貨買いたい。
[必要証拠金の計算]
レバレッジ25倍コースを選択している場合は次のように計算します。
100円 × 10,000通貨 ÷ レバレッジ25 = 40,000円
レバレッジ5倍コースを選択している場合は次のように計算します。
100円 × 10,000通貨 ÷ レバレッジ5 = 200,000円
このように、必要証拠金は、同じ取引をする場合でも、選択しているレバレッジコースによって違ってきます。
[ドル円を、1ドル=100円で、10,000通貨取引する際の必要証拠金]
レバレッジコース | 必要証拠金率 | 必要証拠金 |
---|---|---|
1倍 | 100% | 1,000,000円 |
2倍 | 50% | 500,000円 |
5倍 | 20% | 200,000円 |
10倍 | 10% | 100,000円 |
25倍 | 4% | 40,000円 |
※必要証拠金率は、(1 ÷ レバレッジ)で計算できます。
まとめ
FXの必要証拠金の計算のやり方について説明しました。
必要証拠金に使われるレートは、取引時点のリアルタイムレートであったり、一定時点のレートであったりと、FX会社によって異なります。
また、通貨ペアごとの必要証拠金は、各公式サイトの取引ルールの説明ページや、ログイン後のマイページ内で確認できます。