※当サイト内のコンテンツにはプロモーションが含まれています

FXのスワップ益だけで金利生活はできるのか?

FX(外国為替証拠金取引)

FXで稼げる利益は2種類あります。

ひとつは、「安く買って、高く売る」「高く売って、安く買う」ことで得られる為替差益

もうひとつは、ポジションを保有しているだけで得られるスワップ益

今回は、FXではスワップ益がどれくらいつくのか、果たしてスワップ金利だけで生活できるほど稼げるのか、について検証します。

スワップ益

スワップ益とは、FXで取引される各国通貨の金利差から生じる利益です。

2017年6月時点の米国と日本の政策金利は、米国1.25%、日本0.1%となっています。

ドル円を買う場合の金利差は、1.25%-0.1%=1.15%です。

ドル円のロング(買い)ポジションを1万通貨持っているとします。

仮に現在のレートが112円とすると、このポジションを保有しているだけで、112円×1万通貨×金利差1.15%÷365日=35円が原則毎日もらえる計算です。

つまり、このポジションを1年間保有しているだけで、35円×365日で12,775円のスワップ金利が稼げる計算になります。

保有する通貨ペアの金利差が大きければ、スワップ益も大きくなります。

高金利通貨として有名な南アフリカの通貨であるランド(ZAR)の2017年6月時点の金利は7%ですので、日本との金利差は6.9%です。

ランド円(ZAR/JPY)のロング(買い)ポジションを10万通貨持っているとします。

仮に現在のレートが8.7円とすると、このポジションを保有しているだけで、8.7円×10万通貨×金利差6.9%÷365日=164円が原則毎日もらえる計算です。

つまり、このポジションを1年間保有しているだけで、164円×365日で59,860円のスワップ金利が稼げる計算になります。

ここまでの計算を見ていると、持っているだけで銀行金利よりも稼げそうな気がしますが、重要な注意点がふたつあります。

ひとつは、ここまでの計算結果は、金利の高い方の通貨を買っているときの話であること。

もうひとつは、スワップ益よりも大きい為替変動による損失を考慮していないこと。

それぞれの注意点について、このあとに詳しく解説します。

高金利通貨は、流動性が低い、為替変動幅が大きいなどといったリスクもあります。初心者が、高金利だからという理由だけで取引するのはおすすめできません。

スワップ損

スワップ益は、金利の高い方の通貨を買っている場合に発生します。

では、金利の高い方の通貨を売っている場合は、どうなるのでしょうか。

金利差の大きいランド円で計算してみましょう。

2017年6月時点の南アフリカの通貨であるランド(ZAR)の金利は7%、日本の金利は0.1%です。

金利の高い方の通貨を売るので、金利差は0.1%-7%=-6.9%です。

ランド円(ZAR/JPY)のショート(売り)ポジションを10万通貨持っているとします。

仮に現在のレートが8.7円とすると、このポジションを保有しているだけで、8.7円×10万通貨×金利差-6.9%÷365日=-164円、つまり毎日164円を支払う計算です。

つまり、このポジションを1年間保有しているだけで、59,860円のスワップ金利を支払う計算になります。

・スワップポイントは、日々変動しています。
・スワップポイントはFX会社ごとに異なります。
・適用されるスワップポイントは各FX会社のWebサイト等で確認できます。

スワップ益よりも大きい為替変動

ドル円のロング(買い)ポジションを1万通貨保有していたとします。

日米の金利差が1%、レートを100円としてスワップ損益を計算してみます。

100円×1万通貨×1%で、スワップ益は年間で1万円の計算となります。

※実際には、スワップポイントもレートも日々変わりますし、スワップポイントはFX会社によっても異なります。

一方、ドル円の年間の最安値と最高値の差は20円を超える年もあります。

仮にドル円のロング(買い)ポジションを1万通貨保有していたとして、5円下がったら5万円の含み損、20円下がったら20万円もの含み損(為替差損)になる計算です。

長期間ポジションを保有し続けるということは、一時的にせよ、大きな含み損を抱える可能性があり、いつ回復するかはわからない、ということは覚えておく必要があります。

まとめ

FXでは、含み損を抱えていても証拠金維持率が一定の水準を下回らなければ、原則、ポジションを保有しつづけることは可能です。

しかし、ドル円は2010年~2012年の間、100円を超えた日は一度もありませんでした。

仮に2009年4月に100円のロング(買い)ポジションを1万通貨持ったとして、次に100円を超えたのは2013年5月です。

約4年もの間、100円を回復していません。

この間の最安値は75.6円あたりまで下がっていますので、最大で、-24.4円×1万通貨で244,000円の含み損を抱えたことになります。

そして、この間の日米の金利差は0.15%でした。

レートは日々変動しますが、仮に100円としても、1万通貨保有して4年間で計6,000円のスワップ益を得る計算になります。

2013年以降、ドル円は大きく上昇していますので、ポジションを保有し続けていれば為替差益も取れているでしょう。

しかし、スワップ金利生活ができるほどのポジションを長期保有するということは、上記の例のように、大きな含み損にも耐えられる資金力と精神力が必要だということです。

実効レバレッジが高い状態で上記のようなトレードをしていた場合、反転する前に、追証や自動ロスカットの対象となり、スワップ益以上の大幅な為替差損を出す可能性が高くなります。

スワップ益だけで生活するには、かなりのポジションを長期間保有し続ける必要があります。

ものすごくお金が余っていて巨額の含み損を抱えることになっても一向に気にしない、という方以外は残念ながらあまり現実的ではありませんね。

最後に、スワップポイントがマイナスのポジションを持ってしまうと、日々、金利を支払う側になります。

たとえば、いま、ドル円を売ると毎日35円程度の金利を支払うことになりますので、3か月保有した場合3,000円以上の金利支払いとなります。

トントンのレートで決済したつもりが、スワップ損益を含めた総損益ではマイナスになっていた、ということにもなりますので、自身の取引する通貨ペアのスワップポイントは各FX会社のWebサイトで確認するようにしましょう。

・スワップポイントは、日々変動しています。
・スワップポイントはFX会社ごとに異なり、本記事のスワップ益とは一致しません。
・適用されるスワップポイントは各FX会社のWebサイト等で確認できます。